マーケット・マネタリズム 第二のマネタリスト反革命 (ブログ) by ラルス・クリステンセン

こちらは紹介記事になっています。執筆者のラルス・クリステンセンがマルクス・ヌネスのブログにゲスト投稿者として掲載しました。

(原文)

September 13, 2011 at Historinhas(マルクス・ヌネスblog)


マルクス・ヌネスは彼のブログにエントリを書くように私に依頼してきた。マルクスが経済系グロゴスフィアで起きていることに関する私の見方のいくつかを共有する機会を与えてくれたことを喜んでいる。

私は長い間、準マネタリスト・ブロガーとして知られるようになってきたグループのフォロワーだ。そのブロガーとはスコット・サムナー、ニック・ロウ、ビル・ウールシー、ジョシュ・ヘンドリクソン、デービッド・ベックワース、もちろんマルクス自身のような経済学者だ。

私見では、こうしたブロガーは今ではもう理路整然とした見解をもつ新しい経済学派となってきた。しかし、準マネタリズムという用語を用いるよりもむしろ、私はマルクスとほかのブロガーたちをマーケット・マネタリズムと呼ぶことを好んでいる。私はマーケット・マネタリズムの主要な見方だと考えているものに関してワーキング・ペーパーを書いた。投稿記事の最後にリンクあり。

マーケット・マネタリズム─ブロゴスフィアから経済学派へ

いわゆる2008年大不況の発生以後に、新しい経済学派が誕生した。この新しい学派は、マーケット・マネタリズムとして私は言及するが、この危機の原因を把握するために主流派経済学者や経済論説者そして政策立案者たちの分析の失敗への応答だけでなく危機への政策対応から生まれた。ゆえに、大不況を銀行危機 としてみる主流派経済学の考え方とは対照的に、マーケット・マネタリストは危機の根幹はロバート・ヘッツェルが「マネタリー病」の見方と名づけたものの中 にある。(2009ヘッツェル)。
マーケット・マネタリズムの誕生に際して興味深い要素は主に経済学のジャーナルで展開される学術記事の成果でなく、むしろインターネット・ブログの成果であったことだ。この点において、スコット・サムナー、ニック・ロウ、デービッド・ベックワース、ジョシュア・ヘンドリクソン、及びウィリアム・ウールシーのブログが、とりわけ、マーケット・マネタリズムの見解を形成するのに機能した。ほかのブログも役割を担ったが、通常はこの5人の経済学者がマーケット・マネタリズムの考え方の中心になっているとみられる。6番目の経済学者ロバート・ヘッツェルもマーケット・マネタリズムの考え方において助けになっていると記されるべきだ。ロバート・ヘッツェルは、しかしながら、ブログを持っておらずマーケット・マネタリストたちと同程度に関わっていないが、かれは主なマーケット・マネタリストの何人かの考え方に多大な影響を及ぼした。

マーケット・マネタリストは「準マネタリスト」としても知られている。この用語はポール・クルーグマンによって(間接的に)つくられた用語であり、彼自身はマーケット・マネタリストではなく、さらにこれらのブロガーがこの言葉を使うのは幾分違和感がある。私はマーケット・マネタリズムがより合っているものだと理解している。しかしながら、マーケット・マネタリズムブロガーたちの誰もこの用語を使わない。そのかわり、彼らは一般的に準マネタリストという言葉を彼らの見方を書くときに使う。私はこの言葉に批判的であり、何らかのマネタリズムであること以外にこの学派について何も言っていないからだ。「準」もまた間違いなく経済学派を半焼きしたように聞こえさせている。

経済学派の名前は学派の鍵となる見方をありのまま表すようにするべきだ。マネタリストの部分は伝統的マネタリズムと著しく重複していることははっきりしている。マーケット・マネタリズムと伝統的なマネタリズムの違いは、しかしながら、貨幣供給目標の棄却であり、貨幣流通速度の安定についての推定がマーケット・マネタストによるマネタリズムの再公式化の中心にくる。
貨幣総量と流通速度の安定にかわって、マーケット・マネタストは貨幣不均衡の指標として市場を利用することを提案している。さらには、マーケット・マネタリストはNGDP先物のような市場の道具を利用することを推奨している。そして、ウィリアム・ウールシーのフリーバンキングの場合は、政策目標(名目GDP)を安定させる道具として利用することを推奨している。
ゆえに、貨幣は伝統的マネタリストにとって重要である一方で、貨幣と市場はマーケット・マネタリストにとって重要である。私にとっては、これがこの学派をマーケットマネタリズムと名付ける正当な根拠となっている。

参照: Christensen, Lars, September 2011, “Market Monetarism – the Second Monetarist Counter-revolution”. Market Monetarism 13092011