「高齢化社会に向けて財政問題に向き合う責任、ですって?」By MMTers

オバマ政権で副大統領を務めていたジョー・バイデンの首席アドバイザーだったジャリッド・バーンスタインがブログにおいてMMTへの4つの質問を投げかけ、MMT側が張り切って回答を寄せています。そのうち、四つ目の質問に対する回答のみの翻訳デス。
ttp://neweconomicperspectives.org/2018/01/answers-from-the-mmters.html

”Answers from the MMTers”
By Stephanie Kelton and Randall Wray


増税か貨幣を刷るかのタイミング問題

これは私の研究のテーマであり、MMTerが反発するところですが、公共財の支払いのために私たちは税収を増やす必要があると考えます。最近書いたように、避けられない高齢化に対応するため、政府が社会労働保険の義務を果たすためには2035年までにGDPの3%程度は多い税収が必要ということになります。

MMTerは、社会には余力が残っているから政府支出をサポートするために貨幣を刷ることができると反論しますが、そう言うことで財政責任から逃げていませんか。

人口高齢化の長期的な帰結については、グリーンスパンでさえ議会証言で政府が「破産(“run out of money”)」する可能性を否定していますね。支払い期限が来れば政府はいつでも支払うことができるのです。

実際、財政赤字とは常に事後的(政府支出(G)が先で税収(T)があと。Tは何年か支出と徴税という活動の後に決まる)な計算です。民間部門、政府部門、海外部門の三部門の収支の合計は必ずゼロになります。この三つのうちどれかが赤字(黒字)ならば、残る二部門の合計は必ず黒字(赤字)になっているということです(赤字の裏には常に黒字がある)。レーガン政権以降の米国は、民間部門がほぼ常に黒字(貯蓄)で海外部門はいつも黒字(これをコインの表とすれば裏が政府の財政赤字)でした。つまり、当然の事実として、政府部門は赤字だったのです。

これは225年前の建国以来ずっとあたりまえのことだったのです。民間部門と海外部門の合計が黒字である限り、これからも財政は赤字になります。ほとんどの皆さんは財政赤字を恐れているのですが、逆に、政府の負債によってこそ私たちの家計と企業部門がプラスになっているのです。政府は、政府の収支が30年後にどのうようになっているかを予言することも、また、影響を与えることもできませんが、赤字だと断言すつことは私たちにもできるのです。MMTの批判者も、このウエイン・ゴドリーの仕事を勉強すればこのことが理解できるはずです。

高齢化によりこれから数十年間でGDPを3%増やす必要があると認めましょう。しかしその成長自体、その数十年間における、勤労世代への徴税と引退世代への支出という組み合わせを通じてなされることになるのです。これはその期間の財政赤字とは全く関係ないのです(その時に黒字であろうが赤字であろうが成長していなればならない)。また、現時点が黒字だとしてもそれが将来の赤字を可能にするわけではなく、現時点の赤字が将来の赤字を制約することもありません。

この単純な勘定がよくわからない人だけが、高齢化による将来の赤字をサポートするために今「力をためて」おくべく財政を引き締めるのが正しいことだと考えてしまうのです。高齢化社会に準備するための最善の道は、インフラと保障制度、そして将来のシニア世代の生活のために必要なノウハウを構築し始めることでしょう。