「FOMC版(笑)指数」 by Timothy Taylor

以下は、Timothy Taylor, “The Fed Laughter Index”(Conversable Economist, August 2, 2013)の訳。


2007年から2009年にかけてアメリカ経済は非常に激しい金融・経済ショックに襲われたが、これまで本ブログでは折に触れてそのショックの深刻さを例示するために数々の図やデータを紹介してきた。例えば、こちらこちらのエントリーで取り上げたように、金利スプレッドや金融部門による純貸出、住宅価格のバブル、海外からアメリカへの資本流入(国際的な資本移動の動向)などのデータを紹介してきたわけだが、今回はちょっと風変わりな指標を紹介してみようと思う。その指標というのはFOMC版(笑)指数とでも呼べるものであり、FOMC(連邦公開市場委員会)-アメリカにおける金融政策の最高意思決定機関-のトランスクリプト(会合の場で各参加者が行った発言を文字に起こしたもの)における(笑)([Laughter])の数-会合中に参加者の間で笑い声が漏れた回数-をカウントしたものである。

FOMC版(笑)指数をまとめた上の図によると、グリーンスパン議長時代の終わり頃には、各会合ごとの(笑)の数は概ね10~30の範囲に収まっていることがわかる(FOMCの参加者の間で笑いの種となるユーモアというのは、一室に集った金融政策オタクたちだけがくすぐられる類のものだ、という点ははっきりさせておこう)。バーナンキがFRB議長に就任して以降は(笑)の数は増加傾向を示しており、ピーク時には各会合ごとの(笑)の数は70~80の水準にまで達している。しかし、2007年後半にアメリカ経済が金融危機の第一波に襲われてからというもの、(笑)の数がゼロである会合もいくつか観察されるようになっている。

FOMCの議事録が公表されるまでには会合が終了してから5年間待たねばならないという事情もあって、上の図では2008年初頭のデータまでしか示されていない点には注意してほしい。最後にこの図の出所を明らかにしておこう。この図は、スタンフォード大学経済政策研究所(Stanford Institute for Economic Policy Research)が昨年春に開催した「サミット」の報告書から引用したものであり、Bianco Researchが収集したデータに依拠して作成されたものである。