2%のインフレ目標でいいのか by Scott Sumner

サムナーのブログから“Should Japan aim for 2% inflation?”(11. June 2013)。


日本銀行が追加を緩和しなかったことが投資家たちを失望させ、円は急騰した。驚くにはあたらない。日本の株価は急落した。これも驚くことでない。このニュースでヨーロッパと米国の株価も下落した。これは馬鹿げた「通貨戦争」みたいなものを信じている人なら驚くかもしれないところだ。いつも強調しているように現実のマクロはゼロサムゲームではない。日本にとって良いことは世界にとっていいことだ。ドイツにとってでも、中国にとってでも、米国にとってでも。ジンバブエにとっていいことですら世界にとっていいことだ。

日本銀行は何をすべきだろうか。インフレ率2%は正しい目標値だろうか。(名目GDP目標を採用すべきという話は横に置いて、ここではインフレ目標の枠組みであるとして。)

日本が一時的に完全雇用を復活させることは可能だろう。1%のインフレであっても、あるいはゼロパーセントであってもおそらくは(ここでインフレ率はGDPデフレーター)。賃金は「お行儀がいい」からだ。

しかし、日本はゼロ制約から十分離れた高いインフレ率が必要だという事情もある。名目GDP水準目標ならば問題とはならないゼロ制約問題がインフレ目標を採用している場合は大問題になる。だからインフレ目標値は2%よりも十分高くすべきだ。

しかもこの事情もある

日本政府は投資を促進するために秋までに税制改革計画を完成させる予定だ。経済の回復が2014年と2015年の消費税増税に耐えられるのに十分な強さかどうか、秋には決める必要がある。

この増税は日本経済の二倍をすでに超えている公的債務の増大に対処するため必要なものだ。

アベノミクスの経済政策が株価と持続的回復の期待を引き上げた一方で、中央銀行は二年以内に2%を達成するというその目標からほど遠い状況にある。

日本に今私から言えることは、この回復は「増税に耐えられるほど強い」ものではないので、人々の予想以上の早さでインフレ率が上昇しない限りは、消費税の5%の引き上げが不況を引き起こす可能性が高いということだ。新しい日本銀行の政策に助けられているのは間違いないが、日本が深い森から抜け出すには程遠い状況だ。

日本の株価は円がドルあたり103円から96円に上昇するのに伴って下落した。昨年の80円というレートよりは良い数字だが、96円ではまだまだ不十分。120円を目指せ。