NYTのバーナンキ誤引用 by Scott Sumner 

サムナーのブログから“The NYT misquotes Ben Bernanke”(November 22nd, 2012)


昨日はNYTに書いてあるバーナンキのコメントが奇妙だと書いた

バーナンキ氏はまた、Fedはなぜ銀行貸し出しを増やすために準備預金金利(0.25%)を減らすなり無くすなりしないのかとの質問に答えた。

氏は、Fedその手法を排除しているわけではないが、今のところこれをなくすことによる便益は非常に小さいし、またゼロにすることによって金利コントロールの手段を失ってしまう心配があると述べた。­­

ボニーさんが実際の発言のリンクを送ってくれたのだが、バーナンキはそんなことを言ったわけではないようだ。しかし彼が言っていることはやはり謎だ。この中で(40分すぎのところ)彼は、IORを0.25%からゼロに引き下げても短期金利はわずか8-9ベーシスポイント下がるに過ぎず、消費を刺激する効果はほとんどないと言っている。しかし議論を一歩深めてみよう。もし短期金利がまったく下がらず、T-Billの利回りが8ベーシスポイントのままだとしたら、刺激効果はゼロということになるだろうか? あなたが銀行家だとして、IORが0.25%からゼロに切り下がったら超過準備預金の需要はどうなる? 8ベーシスポイントの投資機会があるならば超過準備預金の需要が減るのでは?

ケインジアンの問題は短期金利というレンズを通してしか金融政策を見ないこと。金利は交換媒体(ベースマネー)の需給に関するものでしかない。これは2008年末に大失敗した理由でもある。当時金融緩和を大々的にアナウンスすることができなかった(われらマーケットマネタリストはそれを訴えていた)。ここでIORの引き下げが奇跡を起こすと言いたいわけではない。普通にそれが将来の政策経路にどのように影響するかにかかっている。もし失敗したとしても、それはバーナンキの主張する理由によってではないことは間違いない。

コメント欄ではextraordinaire Saturosがこう書いていた。

バーナンキは過去四年間CPIが2%だったと言っているが本当だろうか?

extraordinaire Saturos はNYTのようにバーナンキを間違って引用していないと仮定しよう(忙しすぎでインタビュー全部を聞いていないので)。だったらバーナンキは正しくない。彼のお気に入りの消費者物価指数はPCEだが、このリンクは過去四年は1.37パーセントの物価上昇だったことを示している。奇妙なことに、失業率が低かった2006-08は2%を上回らせ、失業率が高い最近は2%を下回らせている。もちろんFEDの二つの目標は相反するものを求めている。Fedはこの循環的は金融政策の枠組みをどうしたら終わりにできるだろう?

答え: NGDPLT (訳注: ”Nominal GDP level targeting”)