アリエリーに訊く「ハロウィンのお菓子を子供たちに正直に取らせるにはどうしたらいいでしょうか?」

「予想通り不合理」の著者ダン・アリエリーが読者の質問に対して、学術的な知見を利用し、さらにハロウィンならではの創意を加えて答えます。ちなみに、訳者が育った地域の七夕にはローソクもらいというハロウィン類似の風習があったのですが、お菓子はほぼ手渡しされていたのでこのような問題は生じていませんでした。


親愛なるダンへ

ハロウィンのときに子供たちが取るべき分以上のキャンディをごまかして取っていかないようにあなたならどう配るだろうかと思っています。子供たち一人一人に手渡しすることも考えていますが、そのやり方では子供が一番好きなキャンディを取ることができません。それに、時間がかかってしまってそんな暇はありませんし、楽しさを削いでしまいます。

でもキャンディをボウルに入れて目を離しておいたら何が起こるかはわかっています:子供たちはみんな、ボウルが空になるその時まで本来の取り分より多く持っていくでしょう。

――メアリー

これはハロウィンを超えて、正直さについての普遍的な問題ですよ。私達が正直さについての実験[1]で発見したことの一つは、もし人々が正直になることを誓えば、彼らは正直になるということです――たとえ誓いに拘束力がなくても(または”チープトーク”[2]と呼ばれるものであっても)通用します。

これらの実験結果を踏まえて、私ならテーブルを用意して大きくこう掲示しておきます「私はキャンディを一個[またはあなたが持っていって欲しい個数]だけ持っていくと約束するので、みんなのトリック・オア・トリートに十分な分が残ります」。それから、掲示の下に、訪問者が名前を書く紙を置いておくんです(そして、ハロウィンだということを考えて、赤い絵の具を使って、訪問者に「血」のサインをすることを求めるましょう)。キャンディを一個だけ持っていくというこの約束、血で書いた公の署名、そして、もしより多くキャンディを取れば、友達がキャンディをもらう機会を奪うことになるという気が付きがあれば、正直さは劇的に改善するんじゃないでしょうか。

Dan Ariely “Ask Ariely: On Planning Ahead, Halloween Rationing, and Flipping Coins

  1. 実験を紹介するアリエリーによるWSJの記事”Why We Lie“。ギズモード・ジャパンに日本語の紹介記事”「誰でも嘘をつく」が科学的に証明されたよ“がありましたが、翻訳者の見解が混ざっている可能性があります。 []
  2. ゲーム理論の用語、Cheap talk。「ゼロコスト、もしくは無視できる低コストでの相互情報交換」(出典)。嘘をついてもコストを払う必要のない発話などを含むようです。関連記事”Talk is Cheap“(日本語) []