インフレを起こせ by Tyler Cowen

New York Timesにデフレに関するタイラー・コーエンの論説が出ていたので翻訳。その他、同じセクションでマーク・ソーマ(Mark Thoma)やブラッド・デロング(Brad DeLong)の論説もあるのでご参照あれ。個人的にはコーエンが景気に対してこういう考え方だというのがちょっと意外だったので紹介したいと思った次第。


デフレが起きるかどうかはFRBの選択にかかっている。我らの中央銀行は物価水準、もしくはインフレ率のターゲットを宣言し、そのターゲットを実現するためにどんなことでもすると宣言する力を持っているのだ。

デフレにミステリーなど全くない。むしろそれは金融政策を通じた意図的な意思決定の結果なのである。減速し始めた経済においては2%から3%のインフレターゲットにFRBコミットするがするべきだと私は考える。

今はFRBは様々な(相反する)シグナルを送っている。バーナンキFRB議長はより拡張的金融政策を望んでいる。それはかれがアカデミックな研究において擁護した策である。しかし地区連銀総裁の何人かはこの考えに与していない。経済の2番底が近づいている時の引き締めは不適当であるというのがアカデミックな経済学者のコンセンサスであるにもかかわらず、彼らの多くは引き締めをもと求めているのだ。

政治的な理由のためにこれ以上の財政政策は実行されそうにない。その上そもそも財政政策は予算を非常に圧迫するし、不完全雇用の資源(労働・資本)を利用することは難しいのだ。経済の「総需要」—経済学者達が使う専門用語—が不足している限り、我々はそのギャップ埋めるべくより拡張的な金融政策が必要なのだ。

主に上院が誰も承認しないからといって、FOMCに空いている2つのポスト(この9月には3つ目の空きが生じる)を放置しているのは言い訳できない。これらのポストに就く人間の承認はバーナンキに彼の求める政策を実行するためのより多くの力を与えることになるだろう。オバマ大統領はこれまでのどの時よりもこの決定にプライオリティをおくべきなのだ。


原文はNew York TimesのRoom for Debate “Should We Brace for Deflation Now?”内、Tyler Cowern のMake Inflation Happen.