スイス中央銀行のトーマス・J・ジョーダン副総裁の講演です。
先日、スイス中央銀行に習い、日本銀行も為替介入を行ったということで、バランスシートの問題について述べた講演を急遽訳してみました。

http://www.snb.ch/en/mmr/speeches/id/ref_20110928_tjn/source/ref_20110928_tjn.en.pdf

スイス中央銀行に資本は必要? by トーマス・J・ジョーダン

はじめに

2007年夏の金融市場の動揺は、瞬く間に近年の金融経済危機の歴史で最も厳しいものとなりました。大きな理由は、銀行の資本不足の増大によるものです。従って、今回の危機からの学ぶべき重要なことは、銀行は資本がさらに必要だということです。その結果、世界中の金融監督当局と中央銀行は、より厳格な自己資本規制を導入しています。スイスもこれらの出来事に素早く対応し、金融安定化を強化するために取り組みました。

一方で、スイス中央銀行自身は、2010年に大きな損失を計上し、2011年前半にスイスフラン高のために、あるいは、より正確に言えば、外国通貨の準備に対して価値が変わっています。結果、莫大な資本の減少をもたらすことになりました。同時に、それらはマスコミによるスイス中央銀行がすぐに債務超過になるのではないかと憶測をしました。このような状況で当然のことながら、みんなが懸念し始めました。スイス中央銀行の損失は債務超過になってしまうのではないか? さらに、もしスイス中央銀行が債務超過になれば、公的資金注入や公的管理になるのではないか?

これらは全て正しい疑問であり、私は細かいことを今から話す予定です。しかし、今からお話することは、答えることは限られていて全ての質問に対してではありません。なぜならスイス中央銀行は商業銀行や民間企業と比較することは出来ません。例えば、中央銀行は流動性不足になることはありません。これは中央銀行の行動は、例え一時的に債務超過に陥っても制約されないことを意味します。さらに、他の企業とは違い、債務超過の是正や公的管理になることを強制されません。さらに、中央銀行は、従来以上に資金調達方法に優位性を享受しています。会社として、自分のために紙幣を発行する権限があり、さらに、長期的には、損失を被った後に自己資本を取り戻すことが可能です。

同時に、私が指摘しておきたいことは、中央銀行といっても永続的に債務超過であることは、問題がないわけではありません。そのことによって長期的に中央銀行の信認や独立性を傷つけるかもしれません。これらの理由から、重要なことは中央銀行の十分な自己資本の基準を維持する、あるいは、自己資本の毀損から回復することです。スイス中央銀行はこのことを重要な側面としてみています。

企業はプラスの自己資本が必要

スイス中央銀行に資本が必要かどうか深く考えましょう。関連する概念を説明するために、資本とは実際には一体何なのか簡潔に見直します。一般的には資本は会社の負債が全て返済されたときに残る資産のオーナーの請求権を示します。これは例えば、バランスシート、会社の報告する資産(貸方残高、債権、金融投資など)の価値が100万スイスフランとし、同時に銀行やサプライヤーが持つ分が60万スイスフランとすると、これらの負債は他人資本、あるいは、借金であります。もし資産から負債を控除すると、つまり、仮に会社が借金を返すと、我々に残るのはバランスシートの資産側、40万スイスフランの純資産であり、これは負債側で資本です。

資本は会社を設立するときに払込みます。しかし、資本は会社自体は創りだせません。もし会社の活動が利益を生み出せば、利益はオーナーに戻すために払うこと(株主が有限会社の場合)や内部留保することは出来ます。もし利益を内部留保した場合には会社の資本は増えます。同様に、損失は資本の減少をもたらします。つまり資本の規模は経営の良し悪しが主に決定づけます。

しかしなぜ資本はプラスでなければならないのでしょう?一方で、資本は債権者を守ります。会社の資産が負債を上回っている限り、資本がプラスな限り、原則的に全ての義務を果たすことができます。しかし、仮に会社の負債が資産を上回ると、利用可能な資産が十分でないために、もはや全ての義務を果たすこと出来なくなります。会社は多額債務、そして支払不能となり、再編成か破産のどちらかが求められます。

しかし、実際に会社の債務が多額になる前に、支払不能になるのではないかと疑いが生じ、単純に多額債務になることは考えにくいでしょう。ほとんどの会社では、短期の支払いが難しくなり、その結果、例えば流動性資産(現金、預金)が足りなくなります。流動性不足から逃れるために、会社は支払いを延期してもらうか、お金を借りることが必要となります。もし、こうしたことが出来なくなると、会社はいくらかの資産を売ります。プラスの資本で会社はスタートしたにも関わらず、一時的な流動性不足の時によって、悪循環に陥いる可能性や、支払不能を招くことになります。

悪循環についてさらに考えましょう。資産売却を強制され、会社を運営するにあたって必要な設備が失われた場合に、これらの売却代金は極めて低い金額になるでしょう。このような出来事を銀行では「ファイヤーセール」と呼びます。流動資産を手に入れるために、実際には高く売れる資産でも固定資産を迅速に得る必要があります。将来の収益も限られ、それによって支払不能の引き起こすかもしれません。

まとめると、民間企業では、債務超過の状況では絶対に存続不可能です。資本が強固であれば、損失が発生する自体から守られます。通常では、会社の活動の前提となる不可欠な要素です。様々な債権者や潜在的な借りてに対して重要なシグナルを送ることによって、一時的に流動性が不足しても会社が健全であることによって新たに借入を行うことも出来ます。法律では、会社や商業銀行の資本が十分でない時に、リストラクチャリングや新規増資が求められます。最悪の場合には破綻処理です。

中央銀行は債務超過になっても行動できる

果たして中央銀行はどうなるのでしょうか?今まで議論してきたことがスイス中央銀行に当てはまるのでしょうか?

答えは「NO」です。様々な理由がありますが、中央銀行は民間企業や実際に他の銀行と比較することは出来ません。自己資本不足は問題ではなく、少なくとも同じ道は辿りません。第一に、中央銀行は流動性の問題は起こりません。第二に、長期的には、常に利益を生むことになっています。損失を出した後に、十分な自己資本を積むことができます。これからこの面を詳しく説明していきたいと思います。

中央銀行は流動性は問題とならない

まずはじめの理由は中央銀行は特別な存在のために、流動性不足には陥りません。いつでも負債を払うこと出来ます。なぜなら自身で必要な流動性を創りだすことが出来ます。

これは中央銀行と民間企業の決定的な違いです。しかし、これはどこから来るのでしょうか?

もし企業がローンを組むときには、金利、期間、量が契約で決まります。期間や金利がいくらかという規定は債権者が決めます。支払期限が近づいたときには、借り手は十分な流動性の蓄えがあれば借金を返すことが出来ます。もし、十分な流動性の蓄えがない場合には、前述のとおり新規増資するか、ローンを組むことが必要です。

中央銀行の場合は、資金調達方法は異なります。第一に、スイス中央銀行の負債は、大量に発行した紙幣と銀行の法定準備預金です。これらの2つでマネタリーベースは構成されています。これを従来の企業がお金を借りることと比較することは出来ません。スイス中央銀行は、負債の利子を払いませんし、固定負債はありません。さらに、「融資金額」は原則的にスイス中央銀行が決めています。このようにして、民間企業のローン契約に基づくような債権者は存在しません。

さらに言えば、紙幣と法定準備預金は法定通貨であり、これらの負債は厳密に言えば返済の必要はありません。しかし、お互いに交換されるものであり、法律的には等価のものです。

例えば、誰かがスイス中央銀行に紙幣の対価を求め、(あなたが、スイス中央銀行に対してお金を貸している)等価の償還を要求すると、我々に単に同じ額面の新しい紙幣を渡すだけです。他の例をとると、もし銀行が紙幣の償還を求めると、法定準備預金口座で受け取るだけです。マネタリーベースの変化はありません。

次に、スイス中央銀行は法的にスイスフランをいわば「無から創りだす」ことにより発行残高を決める権限が認められています。このことによって、人々は中央銀行は紙幣を刷ることが出来ると言います。ありがたい事に、この自主性 -通貨発行権- によってスイス中央銀行は流動性不足になることは決してありません。もしスイス中央銀行が満期になった支払いにスイス中央銀行券 -自身の借金証書- を使うと、単に金額が商業銀行の法定準備預金に支払われるだけです。これに対して、常にスイス中央銀行券といったこのシステムから減らすことも可能です。

ですから、自国通貨の流動性不足にはならず、また、債務超過も取引相手に問題をもたらしません。他の会社や銀行とは異なり、中央銀行は自国通貨の将来の債権を利用することも出来ます。債務超過に陥った中央銀行の取引相手は、資本を厚く積んだ中央銀行の取引相手と相違ありません。この理由は、中央銀行が金融債権をきちんと返すという債権者の信頼感によるものです。さらにいえば、中央銀行は、流動性のために「ファイヤーセール」を行うことはなく、民間企業のような悪循環は始まりません。

中央銀行の能力を保持し続けることは、債務に大きな影響をもたらします。

第一に、スイス中央銀行は、短期的に債務超過となっても、行動する能力は持ち続けます。「行動する能力」という意味は、中央銀行は金融政策を決定し実行する全ての選択肢を持ち、常に責務果たすことです。

第二に、債務超過になった場合に、法的に債務整理、の必要はなく、まして破綻処理、スイス債務法に規定された手続き、民間企業がこのような場合に適用する債権回収・破綻法とは異なります。

スイス中央銀行はスイス連邦憲法によって定められた公法の責務は果たします。憲法の中では、破産処理及び、スイスフランを他の通貨へ変更することは憲法の改正が必要です。さらに、スイス中央銀行の破産処理は連邦法により行う必要があります。債権回収・破産法は使わず、実際にこれを適用することは憲法に直接矛盾します。

従って、論理的には、銀行法、債務法、債権回収・破産法のいずれのどの障害を適用しても、スイス中央銀行は債務超過に陥っても行動することができます。銀行評議会ないしスイス中央銀行のどの部局も債務超過に陥っても法律に則って仕事することが要求されるでしょう。さらに、資本注入や似た様な手段によって債務超過を解決することは、株主(民間の個人、州)も連邦政府も義務ではありません。

中央銀行の資本調達の利点は、長期的に利益をもたらすこと

債務超過の期間が中央銀行にとって問題とならない2つ目の理由に戻りましょう。長期の平均では、中央銀行は常に利益を生み出します。これはしばしばシニョレッジと呼ばれるものです。これらの利益は、損失を出し後に中央銀行が資本を取り戻すことを可能にします。中央銀行が利益を生み出すことが出来る大きな理由は、民間企業とは異なり、通常は実質的にコストがかかることがなく資本を調達をできることです。これは、通貨発行権のおかげです。

長期的な利益はどのようにしてもたらされるのでしょうか?

民間企業のように、中央銀行の資産は収益を生み出します。しかし、中央銀行は通常、資本調達のために借りた資本の利子を払いません。マネタリーベースについて特別な資金調達方法としてお話しましたが、コストは小さなものです。例えば、スイス中央銀行は銀行の法定準備預金に対して金利を払いません。そして、紙幣をつくるコストと流通させるコストは、名目価値と比較すればほとんど無視することができます。このように、資本調達は実質的にコストはかからない結果、中央銀行は構造的に利益を生みます。国立銀行法によれば、利益はまずはじめに、十分な引当金(外貨準備のために)として蓄えておきます。この方法は、資本が増加、あるいは、損失から戻った際に、外貨準備はこれらの事態とは関係なく資本として計上します。もし、余剰があれば、株主の分を割り引いて、法律に従い連邦と州に分配します。

このように、長期的にみれば中央銀行は通貨発行権により利益を生み出す潜在能力があります。このことは、スイス中央銀行が一貫して金融政策の責務を果たしたために実質的に損失を出し、一時的に債務超過になった時も同様です。そのような損失は不安に思うかもしれませんが、スイス中央銀行の毎年の結果はかなり変動を受けることを覚えておかなければなりません。これは常に起こりうるケースで、決して例外的な金融政策の期間ではありません。

しかし、スイス中央銀行が損失を出し続けることはあり得るのでしょうか?これは、スイスフランが強く上昇するときに起こります。これらを2つの例を用いて説明しましょう。

第一に、1970年の外貨準備の損失を振り返ります。ブレトンウッズ体制が崩壊し、スイス中央銀行は外貨準備の持ち高が減価することによって大きな損失となりました。5年に渡って、スイス中央銀行の財務状況は、評価益と経常利益の結果によって是正されました。そして、1978年にもう一度、外貨準備の損失を計上しました。そして、もう一度、資本注入は必要なくバランスシートは回復しました。

第二に、現在の状況を考えましょう。金融政策からみて、全てにおいて通常の状態ではありません。金融、経済、国債危機は、金融市場、国際経済の混乱としてショックを与えました。スイスも無傷ではありません。このような例外的な状況で、責務を果たすためには、スイス中央銀行は幅広い金融政策の手段をもたなければならず、時には大規模になります2007年の8月のインターバンク市場の安定化に乗り出した時には、続いて2007年の12月から市場へアメリカドルを供給しています。2008年10月には、急激な利下げと安定化に向けて取り組みました。最後に、2009年と2010年の半ばには、スイス中央銀行は為替介入を行いました。今年、スイスフラン高対策として、金融市場の大規模に増やした潤沢な資金供給をし、9月6日には最低でも、1ユーロ=1.2スイスフランのレートを設定しました。この幅広い金融政策は、保持し続け、法律で定められた責務を果たすのに不可欠です。スイス中央銀行の意思決定は常に利益とは関係なくもたらされ、これからもそのように続いていくでしょう。これらの動機は、スイス中央銀行は物価の安定の確保により経済発展に資することが求められているからです。時々、スイス中央銀行は責務は果たすためにバランスシートを大幅に拡張し、リスクを取る必要があります。

これまで幅広い金融政策の手段を有効であり、スイス中央銀行は、今回の危機でも比較的に成功しました。しかし、これらの手段は、バランスシートと損益計算書への代償を考えなければなりません。

バランスシートに大きな変化が起こるときは、大規模な外貨投資をしているときであることは疑いの余地はありません。世界経済の不確実性が高まっているときには、スイスフランは強くなる傾向があり、その結果は外貨準備の減価によって損失となります。スイス中央銀行の資本は減少し、状況は悪くなるでしょう。そのような状況では、金利収入と外貨投資からの配当では、為替による損失を相殺するには不十分でしょう。そのようにして、冒頭でもお話しましたが、スイス中央銀行は、2010年と2011年の前期に大きな損失を計上致しました。ユーロに対して最低限のレートを設定した副作用として、外貨損失の一部分は取り戻しましたが、バランスシートは依然として為替の変動を受けています。不幸にもこのリスクは、残っています。まだ他の通貨や金によって損失が発生する可能性もあります。この大きさが我々のバランスシートの大きさ次第で急速に広がる可能性もあります。

しかし、中長期的は、金利収入や配当が徐々に現在までの外貨投資の損失を少しづつ埋めていくことでしょう。たとえ、為替レートからの損失が大きなっても、スイス中央銀行の長期的な利益の構造にはほとんど影響しないでしょう。結果的には、非常に拡大したバランスシートという例外的な状況においても、さらに変動が大きく、リスクが大きい状況になっても、スイス中央銀行は、長期的に構造的な利益を得ること出来ます。

おさらいすると、資本が過小となっても中央銀行を民間企業と直接、比較することは出来ません。第一に、例え一時的に債務超過となっても、中央銀行は全ての債務が解決不能になるという事態にはなりません。どんな制約も受けずにオペを実行することが可能です。第二に、通常スイス中央銀行は利益を生み出し、それを使ってきちんと元の水準に戻すことや、資本を蓄えることが出来ます。このように、原則的にはスイス中央銀行資本が少なくなっても問題とはなりません。実際に、危機の中で金融政策の責任を果たした結果の損失や短期的に債務超過になる可能性もしれません。それでも、構造的に利益を生むために、そのような状況は一時的になるでしょう。このようにして、中央銀行は、普段の資本を自身で取り戻すことができます。それらは、何も要求されることなく、また必要なく取り戻すことができます。

しっかりとした自己資本の基盤は長期的な信頼性を確保します。

債務超過に陥いるにも関わらず、スイス中央銀行は全てのオペを行う能力があります。また、公的資本注入なども必要ありません。ここ最近の損失を気にしすぎることはありません。これには2つの重要なことがあります。

一つは、中央銀行の損失は、明らかに実質的に経済的な影響によって起こりうることです。経常損失を出したことによって、定められた規定に従い、連邦や州に利益の配分を減らす、あるいは、もし正の利益剰余金、あるいは、バランスシートの利益が使えないときには、実際に全て止める必要があります。スイス中央銀行は、連邦政府や州の財政にを不足させてしまう可能性もあるがあることはわかっています。しかし同時に、我々は忘れてはいけないことは、過去数年間の重要な金融政策なしでは、スイスは大きな経済的なダメージを受けていたでしょう。この点において、認識すべき重要なことは、スイス中央銀行の収支は、金融政策が成功しているかどうかの目安には決してなりません。また、スイス中央銀行の責務は利益を生み出すことではありません。

第二に、中央銀行にとって、債務超過はそれ自体何ら問題とはなりません。長期的なバランスシートの構造の問題では、矛盾しているように見えるかも知れません。我々はいつでも自分自身のお金を作り出すことはできないのでしょうか?果たして、その限度は金融政策の法律による制約はないのですか?

もう一度、例を出して示したいと思います。中央銀行の利益を生み出す能力は、危機の種類によって制限されます。極端な例ですが、構造的な支出上の超過となる可能性もあります。持続的な負のシニョレッジの状況になると、中央銀行は支出を賄うためにお金をつくりださなければなりません。しかし、そうなると、金融政策を失い、インフレになる危険性があります。中央銀行が物価の安定を保てなくなると、言い換えれば、支払いを守るために、最終的には信認や独立性を失うことになります。また私は、中央銀行の行動原理において、信認と独立性が最も重要な前提条件となる確信しています。しかし、ここでは私を誤解してほしくありません。今のことは、我々が考えられる限りの最悪の出来事です。特にスイスでは、現在損失を出していますが、むしろ金融機関や通過は強くなっています。このことは、世界の中でもスイスに高い信認があるからです。また、外貨準備の損失を抱えてもスイスフランが高いのはこれらの理由です。

それでもなお、もう一度確認しておきたい事実は、スイス中央銀行は、バランスシートをぞんざいに扱っているわけではありません。我々が全てを行うにあたって重要に考えていることは、バランスシートの問題は第一に発生せず、バランスシートは通常時に戻れば、資本も適切な水準になるということです。

結論

最後に結論として述べたいことは、一時的に債務超過になったとしても、中央銀行は流動性制約とならないために、十分に行動する能力を保持し続けます。また、債務超過になっても法的手段を取られることはなく、民間企業とは異なります。さらに、通貨発行権によって、中央銀行は通常時に利益を生みます。また、このことは継続的に損失を出した後に、資本を積むことを助けます。しかし、長期的にわって債務超過となれば、中央銀行の信認と独立性を傷つけるかもしれません。しかし、これらは実質的には、損失を経常的に出しても、スイス中央銀行は資本をできる限り早く取り戻し、長期的に強いバランスシートを保ち続けます。

民間企業と同じ事は、利益は資本を構築するということです。ここでは、前述した「紙幣を刷る」ことによる資本増強を意味しません。お金をすることによって、中央銀行が全ての責務は果たすことはめったにありません。現在のバランスシートの構造では、明らかにバランスシートの問題は抱えていません。徐々に資本を回復していくと予想されています。言うまでもなく、とても大きな変動が近い将来に起こるかもしれません。連邦政府や州への利益分配の確実性はそれに合わせ低下するでしょう。向こう数年間にわたって分配はないかもしれません。分配の前提は、まず十分な資本、次に正の利益であり、つまり、正の剰余金か正のバランスシートの利益です。すでにスイス中央銀行は損失を出して弱っている中で、資金が存在しないのに、分配を行うとさらに毀損されることになります。これらの見方は、スイス銀行法や利益分配の取り決めに反映されていて、連邦財務部門とスイス中央銀行で年末までに結論を出すでしょう。

我々の認識は、年間の変動の結果は、シンプルであり、分配金の受取人である連邦政府と州によって心地の良い取引です。スイス中央銀行が金融政策を実行するのに制約なく確実にするために、また長期的に、全国の金利として、当分の間必要な重要なことは資本を十分に回復させることです。この意味は、利益を生むのに不可欠で、続ける必要があります。長期的には、経済にとって利益となります。