ポール君に同意 BY GREG MANKIW

Mankiw, Greg” I agree with Paul Krugman” (GREG MANKIW’S BLOG, MAY 07, 2011)の訳です。めずらしくグレッグ君がポール君[1] に賛同し、さらにデイヴィッド君がグレッグ君に質問をぶつけ(邦訳)、とおもしろくなってまいりました。


僕のブログの常連読者はご存知のとおり、ポール・クルーグマンと僕はたいてい意見が一致しない。でも、たまには僕らの意見が一致する時もあるんだ。それを指摘しておくのは何かの役に立つかもしれないね。

ポールが最近投稿したコモディティ(商品)価格についてのエントリで、「不安定価格というものは、不安定なんだから、金融政策を決定する際に使うべきではない」と述べている。そしてそれには僕も賛成だ。他の多くのマクロ経済学者も同意すると思う。

以前僕は、このテーマについてリカルド・レイスと共同で論文を書いている。”What Measure of Inflation Should a Central Bank Target?“「中央銀行は何をインフレの測定基準として設定すべきか」(所載リンク)以下はその要約だ。

この論文は、中央銀行がインフレ・タ-ゲットを維持するための役割を担っているものと仮定し、中央銀行が経済の安定を最大化しようとするためには、インフレ率を測定する基準として何を採択すべきかを問うている。ここでは、まずこの問題を形式化し、そのミクロ経済学的基礎を分析している。そして、安定物価指数[2] [3] [4] においては、各経済部門のウェイトが、規模、景気循環の変動に対する感度(cyclical sensitivity)、価格調整のスピード(sluggishness of price adjustment)、個別部門ごとのショックの大きさ(magnitude of sectoral shocks)を含むその部門の特性にどれほど左右されるかを示している。 この問題をアメリカ合衆国のデータで検証してみると、経済活動の安定を最大化しようとする中央銀行は、名目賃金のレベルに実質的なウェイトを与える物価指数を採択すべきであると考えることもできる、という結論が得られる。

下のグラフが図示しているように、労働価格は今のところ目立ったインフレ圧力の影響が全くみられない。

この問題についてもっと知りたければ、MITの院生、Matt Rognlie の最近のブログポストを参照するといいよ。


  1. 私も大好きなhimaginaryさんのエントリ「コント:ポール君とグレッグ君」によせて []
  2. “stability price index” っていうのは論文中で定義されてるんだけど、最大限マクロ経済の安定化(=産出ギャップの変動を可能な限り最小化するような)を実現するような物価指数 / VOX watcherさんのtweetより []
  3. 「stability」の解釈。元論文 http://ow.ly/4PCS4 (pdf)の1ページ下から三行目にあるように、マンキューらそう呼ぶ指数を提案してるのね。あと注目のMatt Rognlieが先日この論文を説明してる / erickqchan さんのtweetより []
  4. 元論文の1ページ下段の記載“In this paper, we propose and explore an approach to choosing a price index for the central bank to target. We are interested in finding the price index that, if kept on an assigned target, would lead to the greatest stability in economic activity. This concept might be called the stability price index. []