死人には課税できない by Steven Landsburg

4月21日にThe Big Questions Blogに掲載されたSteven E. LandsburgのYou Can’t Tax a Dead Manの訳。誤訳の指摘お願いします。


月曜日に、私は課税されることのない男について書いた。このエントリにはたくさんのコメントが寄せられ、いくつかは混乱していて、いくつかは洞察力に富んでいて、(少なくとも)1つは素晴らしいものだった。その素晴らしかったコメントを強調し、反論を徹底的に叩き、大きな教訓を引き出させてほしい。

コメントをくれたケン・Bは8400万ドルが銀行口座にある(そしてそれを永遠にそのままにしておくことを言いつけた)死人を想像するよう促した。政府が例えば8400万ドルのうちの8200万ドルを没収し、それによって他の人々の現在か未来の税金を減らせ―それらの人々をより豊かにす―るとしよう。人々はより多くのモノを買う。彼らはより多く食べ、より多くのガソリンを燃やし、より広い空間を使う。それらのモノはどこからやってくるのだろうか?

(または、他の人の税金を減らす代わりに、政府がより多く消費する機会を得て、その場合政府はより多くのモノを得るだろう。それがどこからやってくるのかを問わなければならない点は同じだ。)

それはきっと死人―何も食べず、ガソリンを燃やさず、今使っている空間より広い空間を使うこともない―からやってきたわけではない。そうではなく、他の誰かが消費する分を減らす決断を下さなければならない。

しかし初めは誰も消費を減らしたがらない。だから、人々―集合的な―は使える分よりも多く消費しようとする。この過剰な需要は、人々が消費をカットしようとするまで、価格と金利のどちらかもしくはどちらもを押し上げる。死人が税金を払っても意義のあることは何もない。代わりに、税金による負担は上がった価格や金利(のどちらかもしくはどちらも)に損害を被った人々が背負うことになる。

今、ロバート・ケンドリック―銀行に8400万ドル預けていて事実上消費がゼロの男―は(これらの目的で)経済学的には死人と同じだ―彼が既に消費しているものよりも消費を(たくさん)減らすことはできない。だから、彼のお金を召し上げていくばくかの人々の税金を削減することに使えば(もしくは政府が消費する分を増やせば)、他のいくばくかの人々にコストを押し付けることになる。会計士はケンドリック氏に課税したのだと言うかもしれないが、経済学者は本当の税負担は全く違う人々に振りかかるのだと言うだろう。

ここで負けたのは誰だろう? もしケンドリック氏に8400万ドルを相続して浪費しようと計画している甥がいれば、彼はきっと敗者の中で際立った存在になるだろう。しかしケンドリック氏に相続人がいないとしても―彼がどうにかして永遠に生きられるようにし(消費を低水準に保っ)たとしても、他の誰かが税負担を背負うことになるのだ。

より大きな教訓とは、お金は富ではない、ということだ。大きな間違いは、お金の行き先を知っているというだけで取引を理解していると考えることだ。それはよりばかばかしい間違い―政府が8200万ドルのたなぼたを得れば政府はそのお金をモノを買うのに使えて、モノはどこかからやってくる必要がないと考えるような―へとつながっていく。この混同―お金はモノの代わりになりうるという考え―はたびたび経済学の政策議論で論議に上り、それは当然ばかげた考えしか生まない。同じ混同は重商主義的誤謬―経済学者が200年以上前に誤謬だと気づいている―と根を同じにする。用心深くなるためにはいいことだ。

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    “draw a moral” は「教訓を引き出す」でしょう。最後の “the larger moral”も「より大きな教訓」の方がいいと思いますが。

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    “beat … to death” は「…を死ぬまで叩く」。”the point” は多分反論の主張を指しているんでしょう。だから、「反論を徹底的に叩き」「反論をボコボコに叩き」というような意味だと思いますが。

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    hurt は必ずしも肉体的・精神的に「傷つく」という意味だけではなくて、「損害を被る」というような意味でも使うので、この文脈ではその方が適しているんじゃないでしょうか。”have a bad effect on someone or something, especially by making them less successful or powerful (LDCE)” “To hurt someone or something means to have a bad effect on them or prevent them from succeeding.(COBUILD)”

  • http://www.gkec.info/ GkEc

    ありがとうございます。修正しました。

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