ヒュームとホールがFedに提言 by Scott Sumner

引き続き、スコット・サムナーのブログ、TheMoneyIllusion の初期(2009年2月くらい)のエントリご紹介。今回は、Hume and Hall call out the Fed(2/2/2009)。日付にご注意ください。ところで日銀は超過準備に付利してますよね! 


 “たんすにしまわれたコインは消滅しているようなもの” デイビッド・ヒューム-貨幣について[1]    

考えてみよう。2008年10月6日、Fedはその95年間の歴史で初めて預金準備金に金利を支払い始めた。米国の株式市場は2008年に約40%下落し、このうち半分以上が10月の最初の10日間に起こった。私はこの二つの出来事は関係があると結論したいのだが、両者を結び付ける証拠はない。だがスーザン・ウッドワードとロバート・ホールもこの政策は謎だと言っていた。 

“奇妙なことに、彼(バーナンキ)はFedの短期金利を目標水準である1%に引き上げるための手段として準備金に1%の金利を支払うと説明した。これは結局、準備金付利政策は引き締め効果を持つことを告白したことになる。”   

ほとんどの金融の教科書が、1936-37年に預金準備を二倍にした悪名高いFedの決定に触れている。我々が学生に教えるのは、不況期に中央銀行は絶対に貨幣乗数を減らしてはならないということだ。すると今のFedの政策は見ての通り酷いのか?正直言ってわからない。金利を支払いをせずにFFレートがゼロまで下がったとしても銀行はたくさんの超過準備金をため込んだままである可能性は高い。しかしどうして準備金に利子を払おうと考えたのだろう?それとも彼らはFF金利が目標を下回ってしまうことを心配したのだろうか?そもそもそれはそんなに悪いことなのか? 

ホールは1983年に預金準備への付利を主張した。利率を上げ下げして物価水準を安定化するためだった。このホール提案に従うと、今ならFedは超過準備にマイナス金利(例えばペナルティーレート)を乗せるということになる。そうすれば銀行は超過準備を国債に振り替え、膨れ上がっているマネタリーベースは「国民が所有する現金」の方に押し出されるだろう。銀行破たんの心配で現金残高の需要が劇的に上昇している(FDICができる前の時代のように)わけではないのだから、これだけで簡単に総需要を押し上げることができる。

これは恐らく流動性トラップを抜け出すための一番の方法ではないが(これからもっと効果的な解決策に触れていく)、たくさんの機会損失の一つではあるのだ。

  1. 超訳: “If the coin be locked up in chests, it is the same thing with regard to prices, as if it were annihilated.” ヒュームの文章も落ちてました: http://socserv.mcmaster.ca/~econ/ugcm/3ll3/hume/money.txt  []