Scott Sumner の最初のエントリ About this blog

 Scott Sumner の blog には About と題されたページがあります。これはブログのいちばん最初のエントリ About this blog (25. February 2009)がそのまま転載してあるのですが、転載先の方はレイアウトが酷くて読む気が起こりません(エントリに直接リンクを張ればいいのに…)  

とはいえ、Sumner の読者は、これと内容と後日 About this blog に追加されたFAQ(himaginary氏の紹介)を読んでおくといいでしょう。本人もそう言ってます。このFAQもちょっとややこしくて、今回のAbout this blogにコピーを追加しているものの、元のFAQページの方だけアップデートしてたりします(だからリンクを張れば…) というわけで、 今回 About this blog の内容を紹介します(FAQ部分以外)。彼はこの時から気持ちがいいほど一貫していて2008年暮の引き締め(超過準備金へ付利)を問題にし続けています。昨日も(2010.12.11)、そして今日も(2010.12.12。ずっと激賞していたMishkinの教科書↓は改訂で改悪されてしまったとのこと)。 


 終わりがなくやややこしい金融政策の問題についての私のブログへようこそ。すぐに気づくと思うが私はナチュラルなブロガーではない。最近の出来事が私に挑戦を求めているように感じている。「最近の出来事」というのは金融危機ではなく、去年の夏以来の総需要の劇的な下落のことだ。このブログの一つの目的は、私たちはこの不況の本質を根本的に誤診してきたということを示すことにある。その原因は金融危機ではなく、金融政策の失敗なのだ。対象となる読者は、プロの経済学者およびマクロ経済学への強い興味とバックグラウンドを持った人々である。 

私は、大恐慌、流動性トラップ、フォワードルッキングな金融政策(特に市場の予想を利用する政策)を研究して25年を過ごしてきた。去年の10月、私はFed(と他の中央銀行)が信用を失い、成長とインフレ率に対する市場の予想が暗黙のターゲットよりはるか下に下落したことに気付いた。言い換えれば、この厳しい経済不況は金融引き締めによって引き起こされたと見えた。断じて他の理由ではなく、Fedが使命を果たすために必要な政策をしなかったのだ。私が不満なのは、これは主流マクロ理論の論理的な帰結であるように見えるのに、そのような見方をするマクロ経済学者がほとんど見当たらなかったことだ。 

ブログは長い論述のための場所ではないので、現在の不況についての私の独特な理解の根底にある三つの観点を述べるのみとする。 

前提1. 金融政策を描写する唯一の一貫した方法は、「中央銀行は目的を達成すると予測されるように、政策スタンスを”引締め”たり”緩和”したりする」とすることである。 

前提2. 「金融政策は弱まった経済を再生する極めて有効な方法でありえる。短期金利がほとんどゼロだったとしても。」 

前提3. 2008年半ば以降、特に10月初旬、物価水準や名目GDPの期待成長が、Fedの暗黙目標のはるか下まで急落した。 

平易な言葉にすれば、前提1は、Fedはその目的を達成するために最もふさわしい政策スタンスを採るべきだということだ。この点はラルス・スベンソン(金融政策における期待の役割についてのエキスパートだとポール・クルーグマンが最近引用した)が強く主張している。前提2は一番売れているMishkinの金融経済の教科書からの引用(607ページ)で、私たちはこれで学生たちを教えてきた。前提3に同意しない経済学者には出会ったことがないし、いてもわずかだろう。もしこれが間違っているなら、どうしてバーナンキは財政拡大を要求しているんだ? 

これらの前提からの論理的な帰結は、Fedは名目成長期待を引き上げることができるにも関わらず、この期待が目標のはるか下に落ちるままにするのを許したのなら(去年の秋にやったように)、それに続く不景気(不況?)は彼らの失敗ということになる。どうしてこう見る人がほとんどいないのだろう? 私はそれを探求したい。 

同時に、ブログは研究論文よりも面白いはずだと思うのでこれらの問題の周辺に気軽に触れて行きたい。最近の出来事や、他の経済ブログ(クルーグマン、コーエン、ハミルトン、マンキューなど)のコメントや金融史における面白い事実を混ぜ合わせて行きたい。最近突然話題になってきているケインズに対する誤解や流動性トラップ、ニューディールや関連トピックでについて書くべきことはたくさんある。私のベストな考えはすぐに出していくから、後からこのブログに来た人は2009年2月のアーカイブをチェックしてほしい。 

読了ありがとう。真剣なコメントを歓迎する。