Adam Posen 「より踏み込むケース」(2010/9/28のスピーチ) から抜粋 

2010年9月28日のAdam Posen (英中銀金融政策委員会(MPC)理事発言)のスピーチ THE CASE FOR DOING MORE から、日本の経験に学んだという部分だけを抜粋訳。Pdfファイルにおける15ページ前半部分。このスピーチに関するロイターの報道はこちら

日本では昨日(2010/10/5)、新緩和策が発表されましたが、少なくともここでポーゼンが得た書く教訓を日本は学んでいないように思いました。どんな資産を買うかはこれからですけど。


日本のデフレのしつこさについては、2003-2006の日本銀行による国債のLSAPs(large scale asset purchases:大規模資産購入)が教訓を残してくれました。クルーグマンが、われわれ中央銀行家の一部は「何もしない罠」にはまっていると論理的に書きましたが、同じように私たちは2003年以前、日本銀行が何もしないことを大声で非難していました。しかし、日本のコメンテーターたちは汚名を覆すことができたわけです。
 最近ある日本の友人(エコノミスト)に、あなたが一度日本銀行に入ったらどうかとからかわれたのですが、それで私はQE(量的緩和)の力を望むだけ得ることがいかに難しいかを知りまして、発言をトーンダウンするようになりました。
 彼にも言ったのですが、日本銀行の過去の行動を大批判する声を小さくしました。発言のトーンを変えたのは2004年でして、その時日本銀行がLSAPsを実際に始めたのにもかかわらず、私たちが予想したほど簡単にはリフレーションが実現しなかったのです。
 その後の研究で示唆されているのは、問題の一部は日本銀行がLSAPsを始めるのが遅すぎたということです。その間にデフレ期待が醸成されました。イングランド銀行はじめ他の中央銀行はここから教訓を得て、2008-09年は迅速に行動するためのモチベーションとして日本の例を引用したものです。
 困難のもう一つの原因は、日本銀行が実際に購入したのは満期が近い国債で、これは現金とほとんど代替的なので、ポートフォリオ行動にわずかな影響だけしかないと見られたからです。(McCauley and Ueda (2009) http://ideas.repec.org/a/bis/bisqtr/0906e.html).